退職までに有給が足りない?前借りと欠勤の扱い

退職前に有給の残日数を数える第二新卒 第二新卒

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退職日を決めようとして有給の残りを数えたら、思っていたより少なかった。引き継ぎの日数を引くと、休める日がほとんど残らない——そんな状況になっていませんか。

結論から言うと、有給の前借りは会社が認めれば可能ですが、法律上の権利ではありません。断られても違法ではないので、前借りを前提に日程を組むのは避けます。使える手はほかに3つあります。

この記事の結論
  • 前借りは会社の裁量。認められないことのほうが多い
  • 足りないときの選択肢は4つある
  • 欠勤にすると給与だけでなく賞与にも響くことがある
  • 退職日を1か月ずらすと付与日をまたげる場合がある

有給の前借りはできるのか

会社が認めれば可能です。ただし労働者の側から請求できる権利ではありません。年次有給休暇は勤続期間に応じて付与されるもので、まだ付与されていない分を先に使う仕組みは法律に定められていないためです。

制度として前借りを認めている会社もありますが、就業規則に規定がなければ個別の相談になります。退職が決まっている人への前借りは、返す前提が成り立たないため断られやすい面もあります。

まず残日数を正確に数える

相談する前に、手元の数字を確定させます。思い込みで足りないと判断していることがあります。

  • 付与日を確認する:入社日基準か全社一斉かで、次の付与タイミングが変わります
  • 繰り越し分を足す:前年度の未消化分は2年で時効になりますが、それまでは使えます
  • 取得済みの日数を引く:給与明細か勤怠システムに残日数が出ています

繰り越し分を数え忘れているケースが意外とあります。数え方の詳しい手順は退職前の有給消化の進め方にまとめています。

付与日の考え方は会社によって2通りあります。入社日を基準に個人ごとに付与する方式と、全社員に一斉付与する方式です。一斉付与の会社は基準日が決まっているので、就業規則を見ればすぐ分かります。個人基準の会社は、自分の入社日から6か月・1年6か月と数えていきます。

足りないときの4つの選択肢

前借りが通らなくても、打つ手はあります。影響の小さい順に並べると次のようになります。

選択肢内容影響
①退職日をずらす次の付与日の後まで在籍する入社日の調整が必要
②消化日数を減らす残っている分だけ休む影響なし
③欠勤にするその分の給与が引かれる賞与や評価に響くことがある
④前借りを相談する会社の裁量で認めてもらう断られても不利にはならない

※ 表は横にスクロールできます

①が使えるなら、①がいちばん損が少ない手です。付与日まで数週間しかないなら、退職日を後ろにずらすだけで日数が増えます。

退職日を伸ばせば解決する場面もありますが、次の会社の入社日との調整が必要になります。SaaS職種に強いエージェントに入社日を調整してもらうと、両方の日程を見ながら進められます。

退職日をずらすと付与日をまたげることがある

年次有給休暇は、勤続6か月の時点で最初に付与され、その後は1年ごとに増えていきます。付与日の直前に辞めると、あと数日で増えるはずだった分を受け取れません。

たとえば付与日が4月1日で3月20日退職の予定なら、退職日を4月中旬にずらすだけで新しい付与分がまるごと使えます。次の会社の入社日と重ならないかだけ確認します。転職後の有給がいつから使えるかも併せて見ておくと、切れ目のない計画が立てられます。

退職日をずらす相談は、次の会社の入社日が決まる前にしておくと調整がしやすくなります。入社日を確定させてから前職の退職日を動かすと、双方に頭を下げることになります。

欠勤にするとどこに響くか

残日数を超えて休むと欠勤扱いになります。給与が日割りで引かれるのは分かりやすいのですが、影響はそこだけではありません。

  • 賞与の算定:出勤率を条件にしている会社では、支給額が下がることがあります
  • 退職金:勤続年数や出勤率を計算に使う会社では、わずかに影響します
  • 離職票の記載:賃金額が下がるため、失業給付の計算に反映されます

金額が小さくても、複数に響く点は知っておきます。1日や2日なら気にする必要はありませんが、1週間を超えるなら他の選択肢を先に検討します。

前借りを相談するときの言い方

相談すること自体に問題はありません。断られる前提で、短く聞きます。

「引き継ぎを終えたうえで、最終出社日を◯月◯日で考えています。有給の残りが3日不足しており、もし可能であれば次回付与分からの前倒しをご相談できないかと思っております。難しいようでしたら欠勤扱いで構いません。」

代わりの案を自分から出しておくのが要点です。判断を相手に丸投げしないほうが、話が早く進みます。制度がない会社では即答で断られますが、それで関係が悪くなることはありません。

やってはいけない進め方

次の3つは、あとで揉める原因になります。

  • 前借りが通る前提で退職日を先に決める:断られると全部やり直しになります
  • 無断で休む:欠勤ではなく無断欠勤になり、退職金や離職票の扱いが変わることがあります
  • 口頭の約束だけで進める:担当者が変わると引き継がれません。メールで残します

いずれも日程を確定させる前に、書面で確認を取ることで避けられます。

本記事は制度の一般的な整理であり、個別の事情に対する法的な助言ではありません。有給の取得を理由に不利益な扱いを受けた場合は、労働基準監督署や労働問題に詳しい専門家に相談してください。

よくある質問

有給が足りないときに迷いやすい点をまとめました。

Q1. 前借りを断られました。違法ではないのですか?
A. 違法ではありません。前借りは法律上の権利ではなく、会社の裁量によるものです。

Q2. 残った有給を買い取ってもらえますか?
A. 退職時に限り、会社が応じれば可能な場合があります。ただし義務ではありません。

Q3. 引き継ぎが終わらないと消化できませんか?
A. 消化は権利ですが、実務上は引き継ぎを終えてから入るほうが円滑です。

まとめ|前借りより先に、退職日をずらせないか見ます

有給が足りないと分かったときに最初に考えるのは、前借りではなく日程です。付与日との関係を確認するだけで解決することがあります。

この記事のまとめ
  • 前借りは会社の裁量で、権利ではない
  • まず繰り越し分を含めて残日数を数え直す
  • 選択肢は日程をずらす・減らす・欠勤・前借りの4つ
  • 欠勤は賞与や離職票にも響くことがある
  • 相談するときは代わりの案を添える

まずは給与明細か勤怠システムで、繰り越し分を含めた残日数と次の付与日を確認してください。そこから逆算します。

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