体調を崩して辞めたいとき|休職と傷病手当金という選択肢

体調を崩して辞めたいときに知っておきたい休職と傷病手当金 第二新卒

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朝どうしても起き上がれない。日曜の夜になると胃が重い。仕事を続けるのがつらくて、辞めることばかり考えてしまう——第二新卒でこの状態になったとき、選択肢は「辞める」か「我慢する」の2つだけではない。

間に休職という制度があり、そこには傷病手当金という仕組みも用意されている。制度を知らないまま辞めると、受け取れたはずのものを受け取れなくなることがある。何がどう使えるのかを、順に整理する。

⚠ この記事は制度の仕組みを整理したもので、医学的な判断や診断に関わるものではありません。心身の不調が続いているときは、まず主治医や産業医、会社の相談窓口に相談してください。判断を一人で抱えないことが、どの制度を使うかより先にきます。
この記事の結論
  • 辞めるか我慢するかの二択にしない。間に休職という制度がある
  • 傷病手当金は業務外の傷病・労務不能・待期3日・無給の4つが要件
  • 支給は通算1年6か月まで。2022年から「通算」に変わった
  • 退職後も受け取れる場合があるが、在籍1年以上などの条件がある

辞める前に、間にある選択肢を並べる

休職・部署異動・時短や業務量の調整。辞める以外にも動かせるものがある。

つらい状態が続くと、視野が狭くなって「辞めるしかない」と感じやすい。ただ実際には、会社を離れずに環境を変える方法がいくつかある。就業規則に休職の規定があるか、異動の希望を出す仕組みがあるかは、今の時点で調べられる。

判断そのものを先送りしてよい場面もある。強い不調があるときは、辞めるか続けるかという大きな決定に向いていないことが多い。まず休むことだけを決めて、進路の判断は体調が戻ってからにする、という順番も選べる。

どれを選ぶにしても、先に医師の診察を受けておくと選択肢が広がる。診断書があれば休職を申し出やすくなり、傷病手当金の申請にも医師の証明が必要になる。逆に何も受診しないまま辞めると、使える制度がその時点で減る。

受診をためらう理由として多いのが、大げさではないかという迷いだ。ただ、診察は病名をつけるためだけのものではなく、今の状態が仕事を続けられる範囲かを一緒に見てもらう場でもある。判断材料を増やすつもりで行けばよい。

休職とはどういう制度か

法律で義務づけられた制度ではなく、会社ごとの就業規則で決まっている。

まず就業規則を確認する

休職は法定の制度ではないため、期間や条件は会社によって違う。勤続年数が短いと期間が短く設定されていることもあれば、そもそも規定が無い会社もある。就業規則は従業員が見られる状態に置くことが決まっているので、人事に写しを求めて差し支えない。

申し出の手順

一般的には、医師の診断書を添えて会社に申し出る流れになる。直属の上司に言いにくい場合は、人事や産業医の面談から入る方法もある。産業医がいる会社なら、就業に関する意見を出す立場にあるので、間に入ってもらいやすい。

言い出しにくいときは、口頭ではなくメールで面談の時間をもらうところから始める方法もある。文章にすると伝える内容を整理でき、その場で言葉に詰まる心配もない。誰に相談するかを先に決めるだけでも、負担はかなり減る。

傷病手当金の4つの要件

健康保険から支給される。仕事以外の理由による病気やけがが対象。

休職しても給与が出ない期間を支えるための仕組みが傷病手当金だ。健康保険の被保険者であれば、次の4つを満たしたときに対象になる。

金額の目安は、直近1年ほどの標準報酬月額をもとに計算され、おおよそ日額の3分の2にあたる額が支給される。全額が出るわけではないので、生活費がどこまで賄えるかは事前に確認しておきたい。

申請書には医師が記入する欄と会社が記入する欄があり、自分だけでは完成しない。提出までに日数がかかることを見込んでおきたい。

要件内容
① 業務外の傷病仕事が原因の場合は労災の扱いになり、こちらではない
② 労務不能これまでの仕事に就けない状態であること。医師の意見で判断される
③ 待期3日を満たす連続して3日休むと待期が完成し、4日目から対象になる
④ 給与が出ていない休んだ期間に給与が支払われていないこと。一部支給なら差額が出る

※ 表は横にスクロールできます

待期3日の数え方

連続して3日休むことが必要だが、この3日間には土日祝や有給休暇を含めてよい。金曜から休み始めれば土日を挟んで月曜が4日目になる。飛び飛びに休んだ場合は待期が完成しないので、連続しているかどうかが分かれ目になる。

待期が完成する前に出勤すると、そこで数え直しになる。体調が少し戻ったからと途中で1日出勤してしまい、要件を満たせなくなる例がある。休み始めたら、まず4日目までは連続させることを意識したい。

支給される期間

支給が始まってから通算1年6か月までが上限になる。2022年1月から「通算」に変わり、一度復帰して同じ病気でまた休んだ場合も、以前受け取った期間と足して1年6か月まで受け取れる形になった。

退職した後も受け取れる場合がある

条件を満たせば、退職して健康保険が変わっても元の保険から継続して支給される。

辞めたら終わりだと思われがちだが、継続給付という仕組みがある。主な条件は次の3つで、すべてを満たす必要がある。

  1. 退職日まで継続して1年以上、健康保険の被保険者だったこと
  2. 退職の時点で労務不能の状態にあること
  3. すでに傷病手当金を受けているか、受けられる状態にあること
⚠ 見落としやすいのが2つ目です。退職日に出勤してしまうと、その日は労務不能ではなかったと扱われ、継続給付の要件を満たさなくなることがあります。挨拶に行きたい気持ちがあっても、退職日の出勤は事前に加入している健康保険へ確認してから決めてください。

在籍が1年に満たない場合は継続給付の対象にならない。第二新卒だとここで外れることがあるので、在籍期間が1年に近いなら、退職日をいつにするかで結果が変わる

休職してから転職活動をしてもよいのか

制度上の禁止はないが、休職の目的と矛盾しないかは考えたい。

休職は療養のための期間なので、その最中に選考を受けることが望ましいかは状況による。回復してから動くほうが、面接で話せることも増える。焦って決めた転職先が同じような環境だった、という形は避けたい。

復職を経てから転職する道もある。一度戻って働けている状態をつくってからのほうが、次の会社にも説明しやすい。どの順番で進めるかは、主治医の見立てを聞いたうえで決めたい。

体調が戻ってから動き出す場合、選考の進め方を一人で組み立てるのは負担が大きい。20代向けのエージェントに相談してみる

面接で休職について聞かれたら

隠さず、今は働ける状態にあることを事実として伝える。

履歴書に休職期間を書く義務はないが、経歴に空白がある場合は聞かれることがある。回復して働ける状態にあるなら、そう伝えれば足りる。診断名を細かく説明する必要はない。

伝えるかどうかを迷うなら、入社後に無理なく働けるかを基準にするとよい。配慮が必要な事情があるなら、先に伝えておくほうが結果的に働きやすくなる。逆に、すでに回復していて配慮が要らないなら、詳しく述べる必要はない。

聞かれたときに落ち着いて答えられるよう、①休んだ時期 ②今は問題なく働けること ③再発を防ぐために何を変えたか、の3点だけ整理しておくとよい。3点目があると、相手の不安が下がりやすい。

よくある質問

Q1. 休職の規定が会社に無い場合はどうなりますか?
A. 休職は法律上の義務ではないため、規定が無い会社もあります。その場合でも、有給休暇の消化や欠勤という形で休むことは可能です。まず就業規則を確認し、人事に相談してください。

Q2. 傷病手当金は退職後に申請してもよいですか?
A. 継続給付の条件を満たしていれば可能ですが、在籍中に申請を始めておくほうが手続きは進めやすくなります。判断に迷う場合は、加入している健康保険の窓口に在籍中に問い合わせてください。

Q3. 休職したことは転職先に知られますか?
A. 会社が前職に問い合わせて経歴を確認することは一般的ではありません。ただし社会保険の記録から在籍期間は分かるため、期間について聞かれたら事実を答える前提で考えておくと安心です。

まとめ

つらい状態のときほど、選べる道が2つしかないように見える。実際には制度がいくつか用意されていて、使えるかどうかは在籍中に動いたかで変わることが多い。

この記事のまとめ
  • 辞めるか我慢するかの前に、休職・異動・業務量の調整という道がある
  • 休職は法定の制度ではないので、まず就業規則を確認する
  • 傷病手当金は業務外の傷病・労務不能・待期3日・無給の4要件
  • 待期の3日には土日祝や有給を含めてよい。連続していることが条件
  • 支給は通算1年6か月まで
  • 退職後の継続給付には在籍1年以上などの条件がある

まず就業規則の休職の項目を開いて、自分の会社に何が用意されているかを確かめるところから始めてほしい。そのうえで、体調のことは自己判断せず、主治医や産業医に相談してほしい。制度を使うかどうかを決めるのは、その後でよい。

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