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内定は出たものの、勤務地が今の家から通える範囲にない。転職そのものより、住む場所を移すほうが大変そうだと感じている——第二新卒で地方から都市部へ、あるいはその逆へ動くときに必ず出てくる悩みだ。
先に押さえておきたいのは、引っ越しの段取りは入社日を決めた時点でほぼ決まるということ。入社日・退去日・入居日の3つの順番を間違えなければ、あとは費用と手続きの問題になる。何をいつ決めればいいのかを順に整理する。
- 順番は「入社日を決める → 部屋を決める → 退去を伝える」。逆にすると家賃が二重になる
- 賃貸の初期費用は家賃の4〜6か月分が一般的な目安。引っ越し代とは別にかかる
- 入居審査は在職中のほうが通りやすい。退職後に動くと収入の証明が難しくなる
- 転勤ではない自己都合の転居は、会社の補助が出ないことも多い。内定時に確認する
最初に決めるのは入社日
入社日が決まらないと、退去も入居も日程を置けない。ここが起点になる。
内定の連絡を受けたら、引っ越しが必要である旨を早めに伝えて入社日を相談する。部屋探しから入居までは、余裕をみて1か月ほどかかるため、内定から入社まで1か月を切っていると慌ただしくなる。
入社日を後ろにずらしてもらえるかは会社によるが、住む場所を移すという理由は相手にも分かりやすい。伝えるのが遅くなるほど調整の余地は狭くなるので、承諾の返事と同じタイミングで切り出したい。
日数の内訳も見ておきたい。物件を探し始めてから内見までに数日、申し込みから審査の結果が出るまでに3日から1週間、契約手続きに数日、鍵の受け取りまでにさらに数日かかる。順調に進んでも3週間、繁忙期や書類が揃わない場合は1か月を超えることがある。
距離が遠いほど、内見に行ける回数は限られる。写真と間取り図だけで決めるのが不安なら、不動産会社に動画で室内を撮ってもらえるか聞いてみるとよい。
入社日・入居日・退去日をどの順で置くか
入居日を入社日の1週間前、退去日をその後に置くと重なりが最小になる。
3つの日付には決めるべき順番があり、そこを外すと家賃が二重に発生する期間が延びる。下の並びを目安にしてほしい。
| 順番 | いつ | 理由 |
|---|---|---|
| ① 入社日を決める | 内定承諾のとき | 逆算の起点。引っ越しが必要だと先に伝える |
| ② 部屋を決める | 入社の1か月前まで | 内見から契約まで2週間ほどみる |
| ③ 入居日を決める | 入社日の1週間前 | 荷ほどきと役所の手続きに数日は要る |
| ④ 退去を伝える | 入居日が決まってから | 多くの契約で1か月前までの通知が必要 |
| ⑤ 退去日を決める | 入居日の後 | 重なる期間は短いほどよいが、ゼロにはしない |
※ 表は横にスクロールできます
④を先にやってしまう人が多い。退去を伝えたのに部屋が決まらないと、住むところが無い期間ができる。退去の連絡は、次の部屋の契約が済んでからにする。
費用はどこにいくらかかるか
賃貸の初期費用と引っ越し代は別物。合計すると想像より大きくなりやすい。
賃貸の初期費用
一般的な目安として、家賃の4〜6か月分がかかると見ておきたい。内訳は敷金・礼金・仲介手数料・前家賃・火災保険料・保証会社の利用料あたりで、地域や物件によって有無が変わる。礼金なしや仲介手数料が半額の物件もあるので、総額で比べる。
家賃そのものの目安は、手取りの3割以内に収める考え方が広く使われている。ただし転職直後は住民税の額が前職の収入で決まっているため、手取りが想定より少なくなる時期がある。1年目は少し余裕を持たせた家賃にしておくと、後から効いてくる。
引っ越し業者の費用
荷物の量と距離、時期で大きく動く。3月から4月上旬は繁忙期にあたり、同じ条件でも高くなりやすい。入社日をこの時期からずらせるなら、費用面では有利に働く。単身であれば、業者を使わず宅配便で送る手もある。
会社から出るお金があるか
転勤ではなく自分の都合での転居にあたるため、引っ越し費用の補助が出ないことも多い。ただし赴任手当や入社支度金の制度を持つ会社もある。制度の有無は求人票に書かれていないことが多いので、内定後に直接確かめる。
入社日の調整は、エージェント経由なら間に入って交渉してもらえることが多い。入社日の相談ができるエージェントを見る![]()
入居審査は内定の段階で通るのか
通るかどうかは収入の証明で決まる。在職中に動くほうが有利。
在職中に契約するほうが通りやすい
審査で見られるのは、家賃を払い続けられるかどうかだ。今の会社に在籍していれば、直近の給与明細や源泉徴収票をそのまま出せる。退職してから動くと、収入が無い状態で申し込むことになり、説明の手間が増える。
保証会社を使う物件では、その会社の審査も別に入る。過去の家賃の滞納や、支払いの遅れがあると影響することがある。心当たりがあるなら、保証会社を使わない物件や、連帯保証人で対応できる物件も選択肢に入れておく。
内定通知書を出せる場合がある
転職先が決まっていることを示す書類として、内定通知書や労働条件通知書の写しを受け付ける管理会社もある。ただし必ず認められるとは限らないので、申し込みの前に不動産会社へ「転職が決まっている状態だが審査は通るか」と確認しておくと二度手間にならない。
親族に連帯保証人を頼めるかどうかも、早い段階で聞いておきたい。保証会社だけで済む物件も増えているが、両方を求められることもある。
会社に確認しておく3つ
補助の有無、入社日の幅、初日の出社場所。この3つは内定後すぐに聞ける。
引っ越しが絡むと、入社の条件に確かめておきたい点が増える。次の3つは、聞いても差し支えのない実務的な内容だ。
- 引っ越し費用の補助や赴任手当の制度があるか。あるなら申請の手順と期限
- 入社日をどこまで後ろにずらせるか。研修の開始日が固定されている場合もある
- 初日の出社場所と時間。本社ではなく配属先に直行するケースもある
3つ目は当日の交通手段に直結する。転居先から本社までと配属先までで所要時間が違うことがあり、初日の朝に慌てる原因になりやすい。
補助が出る場合でも、対象になる範囲は会社ごとに違う。引っ越し業者の代金だけが対象で、賃貸の初期費用は含まれないことも多い。領収書の宛名や提出の期限が決まっていることもあるので、動く前に条件を文書でもらっておきたい。
段取りでつまずきやすいところ
住民票の異動と、退去時の立ち会い。この2つは日程が動かしにくい。
住民票の異動には期限がある
転入の届け出は、新しい住所に住み始めてから14日以内と定められている。平日しか受け付けない窓口が多いので、入社してからでは動きにくい。入社前の平日に一度は市区町村の窓口へ行く前提で日程を組む。転出の手続きは前の住所地で先に済ませておく。
退去の立ち会いは平日の日中が多い
部屋の明け渡しには立ち会いが必要な物件が多く、時間帯も平日の日中に指定されやすい。入社後だと有給を使うことになるため、可能なら入社前に終わらせる。
前の住所に届く郵便の転送
郵便物の転送は申し込んでから反映まで数日かかる。退職に伴う書類や、住民税の通知が前の住所に届くことがあるので、退去の1週間前までには手続きしておきたい。
電気・ガス・水道の手続きも忘れやすい。電気と水道は当日でも間に合うことが多いが、ガスは開栓に立ち会いが必要で、繁忙期は希望日が埋まる。部屋が決まったらすぐに予約を入れておく。
よくある質問
Q1. 入社日までに引っ越しが間に合わないときはどうしますか?
A. 早めに会社へ相談してください。入社日をずらしてもらえる場合のほか、しばらく前の住所から通う、短期の宿を使うといった対応もあります。黙って初日を迎えるのがいちばん困る形です。
Q2. 退職前に部屋を契約しても大丈夫ですか?
A. 在職中のほうが審査は通りやすいので、順番としてはむしろ望ましいです。ただし内定が正式に出る前に契約すると、話が流れたときに戻せません。労働条件通知書を受け取ってから動くのが安全です。
Q3. 引っ越し費用は経費として申告できますか?
A. 会社の補助がなく自己負担した場合、条件を満たせば給与所得者の特定支出控除の対象になることがあります。会社の証明が必要になるため、該当しそうなら税務署か会社の担当部署に確認してください。
まとめ
引っ越しを伴う転職は、やることが多いように見えて、決める順番さえ間違えなければ淡々と片づく。起点は入社日で、そこから逆算していく。
- 順番は入社日 → 部屋 → 入居日 → 退去の連絡 → 退去日
- 退去を先に伝えると、住むところが無い期間ができる
- 初期費用は家賃の4〜6か月分が目安。引っ越し代は別にかかる
- 入居審査は在職中のほうが通りやすい
- 補助・入社日の幅・初日の出社場所は内定後すぐ聞く
- 住民票の転入届は住み始めてから14日以内
まずは内定先に、入社日をどこまで調整できるかを聞くところから始めてほしい。そこが決まれば残りは順に並ぶ。
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