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SaaS企業の営業職に応募したら、面接で「商談はどんな流れで進むと思いますか」と聞かれた——第二新卒の方からよく聞く場面です。
働いたことがない業界のことを聞かれて、固まってしまったという声もあります。
ただ、SaaSの商談は会社が違っても大枠がよく似ています。流れを5つに分けて覚えておけば、未経験でも筋の通った説明ができます。

面接で「商談の流れは分かりますか」と聞かれて、何も答えられませんでした……。働いたことがないのに、どこまで答えればいいんでしょうか。
この記事では、問い合わせが入ってから契約が決まるまでを5段階に分け、各段階で何が起きるのか、なぜ時間がかかるのか、第二新卒はどこから担当することが多いのかを整理します。
この記事でわかること
- SaaSの商談が進む5つの段階と、それぞれで決まること
- 商談が数か月かかることがある理由(稟議と決裁の仕組み)
- インサイドセールスとフィールドセールスの担当範囲の違い
- 面接で「商談の流れ」を聞かれたときの答え方の型
- SaaSの商談は「リード獲得 → 初回商談 → デモ → トライアル → 稟議・契約」の5段階で進む
- 段階ごとに「何が終われば次へ進めるか」の条件が決まっていて、そこが埋まらないと止まる
- 止まる原因の多くは、話を聞いてくれた担当者が決裁者ではないこと
- 第二新卒はインサイドセールスとして前半(1〜2段階目)から入るのが現実的
SaaSの商談は5つの段階で進む
SaaS(クラウドで提供するソフトウェア)は、売って終わりの商品ではありません。
毎月・毎年の利用料で成り立っているので、契約したあとに使い続けてもらえなければ売上になりません。
そのため商談も「その場で決めてもらう」形にはなりません。相手の会社で本当に使えるのかを、一緒に確かめていく形になります。
この確認作業を、多くのSaaS企業は次の5段階に分けています。

下の図は、上から下へ時間が進むと思って見てください。面接ではこの順番をそのまま口に出せば十分です。
図1|SaaSの商談が進む5つの段階
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段階の呼び方は会社ごとに違います(「Stage1〜5」「フェーズA〜E」など)が、やっていることはほぼ同じです。
この5段階をひとまとめにして「商談プロセス」や「セールスサイクル」と呼びます。
誰がどの段階を担当するかを分けた考え方がSaaSの「ザ・モデル」で、この記事で説明する流れは、その中を1件の案件がどう進むかという見方になります。
段階ごとに「何が終われば次へ進むか」が決まっている
営業が「手ごたえがありました」と報告しても、それだけでは商談は前に進みません。
SaaSの営業組織では、段階ごとに次へ進む条件が言葉で決められていることがほとんどです。
条件を満たしてはじめて、営業管理ツール上の商談フェーズが動きます。
| 段階 | 次へ進む条件の例 | つまずきやすい点 |
|---|---|---|
| 1. リード獲得 | 担当者と連絡が取れ、話を聞く時間をもらえた | 資料を見ただけの人と、本当に困っている人が混ざる |
| 2. 初回商談 | 困りごと・決める人・時期の3つが聞けた | 製品説明だけして終わり、相手の事情を聞けていない |
| 3. デモ | 実際に使う部署の人が同席し、使う場面を想像できた | 機能を全部見せてしまい、要点が伝わらない |
| 4. トライアル/PoC | 試用期間中に実際にログインして使われた | アカウントを渡しただけで、誰も触らないまま終わる |
| 5. 稟議・契約 | 決裁者の承認が下り、契約条件が固まった | 予算の時期が合わず、来期まわしになる |
条件の土台としてよく使われるのがBANT(Budget=予算/Authority=決裁権/Need=必要性/Timeframe=時期)という4つの確認項目です。
SaaSではこれに加えて「トライアルで実際に使われたか」を重く見る会社が増えています。使われなかった製品は、契約しても続かないからです。

「手ごたえがあった」では進めないんですね。思っていたよりちゃんと決まっているんだなと思いました。
商談が3か月かかることがあるのはなぜか

初回商談の反応はよかったのに、そこから2か月も動かないことがあるんですか?

よくあります。理由はほとんどの場合ひとつで、話を聞いてくれた担当者が、お金を出す人ではないからです。
法人向けのSaaSは、ひとりの判断では買えません。
実際に使う現場の人、費用を承認する上長や経営層、セキュリティを確認する情報システム部門——少なくとも3種類の立場の人が関わります。
現場の人が「これは便利だ」と思っても、そこから社内の説明資料を作り、上長に説明し、承認をもらう手続き(稟議)が必要になります。
この手続きは相手の会社の中で進むので、営業側からは見えません。連絡が途絶えたように見える期間の多くは、この社内調整の時間です。
加えて、予算には年度があります。年度の切り替え前後に話が来た場合、「来期の予算で」となって数か月ずれることも珍しくありません。
商談が止まるのは、相手の気が変わったからとは限らない——この視点があるだけで、営業の仕事の見え方が変わります。
どの区間から入るかは、求人票だけでは判断しきれません。
分業の実態は入ってみないと分からない部分が残るので、同じ企業に人を送った実績を持つ相手に聞けると精度が上がります。SaaS特化の転職エージェントに相談してみる![]()
第二新卒はどの段階から担当することが多いか
5段階すべてを1人で担当する会社もありますが、ある程度の規模のSaaS企業では、前半と後半で担当者が分かれています。
前半を担当するのがインサイドセールス、後半を担当するのがフィールドセールスです。
図2|前半と後半で担当が分かれる
インサイドセールス(IS)
- 主に段階1〜2を担当
- 電話・メール・オンライン商談が中心
- 「会って話す価値があるか」を見極める
- 1日に何件も相手が変わる
フィールドセールス(FS)
- 主に段階2〜5を担当
- デモ・条件交渉・クロージング
- 「決まるところまで運ぶ」
- 1件を数週間〜数か月追う
境目は会社によって動きます。IS が段階3のデモまで担当する会社もあります。
未経験や第二新卒の募集が多いのはインサイドセールス側です。
1件あたりの金額責任が軽く、会話の型を覚えやすく、上長がその場で聞いていられるためです。
仕事の中身は【SaaS転職】インサイドセールスとは?仕事内容・年収相場・「病む」と言われる理由を未経験目線で解説で詳しく書いています。
後半を担当するフィールドセールスには、インサイドセールスを1〜2年経験してから移るのが一般的な道筋です。
いきなり後半から入る募集もありますが、その場合は前職で法人営業の経験が求められることが多くなります。

未経験だと、いきなり後半のフィールドセールスは狙えないということですか?

狙えないわけではありませんが、前半を経験してから移るほうが通りやすいです。
前半で「誰が決める人か」を聞き取る型ができていると、後半の商談でも困りません。
面接で「商談の流れを説明して」と言われたときの答え方
この質問で見られているのは、正解を暗記しているかではありません。
調べてきたか、そして自分がどこを担当したいか言えるかの2点です。答えの型は次の3ステップで足ります。
① 5段階を言い切る
「リード獲得、初回のヒアリング、デモ、トライアル、稟議と契約の5段階で進むと理解しています」。ここは事実なので、迷わず言い切って構いません。
② どこが難所かを1つ挙げる
「難しいのは稟議の段階だと思います。話を聞いてくれた担当者と、実際に決める人が別のことが多いので、担当者が社内で説明しやすい材料を渡せるかが分かれ目になる、と理解しています」。
難所を1つ挙げられると、流れを「覚えた」のではなく「意味が分かっている」と伝わります。
③ 自分が担当したい段階を言う
「まずは前半のインサイドセールスから入って、相手の困りごとを正確に聞き取れるようになりたいです」。
志望職種と理由がつながるので、ここまで言えると他の応募者と差がつきます。

実務経験がなくても、流れを自分の言葉で説明できれば「調べてきた人」として扱いが変わります。
逆に、ここを曖昧にすると志望動機まで薄く聞こえてしまいます。
求人票から商談の進め方を読み取る3つの手がかり
求人票には「商談プロセス」という項目はありませんが、書き方から進め方が推測できます。
応募前に次の3つを見ておくと、面接での質問が具体的になります。
手がかり① 職種名が分かれているか
「インサイドセールス」「フィールドセールス」と職種が分かれて募集されていれば、分業が成り立っている会社です。
「セールス」「営業」の1本だけなら、5段階を1人で担当する可能性が高いと考えられます。
手がかり② 商材の金額帯が書いてあるか
「1件あたり月額数万円」なら商談は短く、数週間で決まることが多くなります。
「大手企業向け」「年間数百万円規模」と書いてあれば、稟議が重く、半年かかる案件もあります。
手がかり③ KPIとして何が挙がっているか
「アポイント獲得数」「商談化率」が挙がっていれば前半の担当、「受注件数」「受注金額」なら後半の担当です。
ここが分かると、入社後に自分が何の数字で評価されるかが事前に分かります。

この3つは面接で直接聞いても失礼になりません。「入社後はどの数字で評価されますか」は、むしろ前向きな質問として受け取られます。
SaaSの商談についてよくある質問
Q. トライアルとPoCは何が違いますか?
どちらも「契約前に試す」という点は同じです。
トライアルは製品をそのまま一定期間無料で使ってもらうもの、PoC(Proof of Concept=概念実証)は目的と評価基準を決めたうえで試すものを指すことが多いです。
大手企業向けの商談ではPoCの形をとり、「この指標がこれだけ改善したら導入」と事前に合意します。
Q. 商談が5段階より多い会社もありますか?
あります。「提案」「見積提示」を独立した段階に分けて7〜8段階にしている会社もあります。
ただ、増えているのは段階3〜5の内訳なので、5段階で理解しておけば話は通じます。
Q. 未経験でも商談の流れを覚えられますか?
入社後の研修で必ず教わる内容です。むしろ、応募前に自分で調べて話せる人はあまり多くないので、面接の時点で流れを説明できると印象に残ります。
Q. インサイドセールスだと商談の後半が見られず、経験が偏りませんか?
分業が進んだ会社ほど、後半の同席や引き継ぎミーティングの機会が用意されています。
気になる場合は面接で「インサイドセールスがフィールドセールスの商談に同席する機会はありますか」と聞くと、実態が分かります。
まとめ|流れが分かると、志望動機まで具体的になる
SaaSの商談は「リード獲得 → 初回商談 → デモ → トライアル → 稟議・契約」の5段階で進みます。
段階ごとに次へ進む条件があり、止まる原因の多くは相手の社内調整にあります。
この流れが頭に入っていると、「なぜインサイドセールスから入りたいのか」を自分の言葉で説明できるようになります。
職種名だけで志望先を選ぶより、どの段階を担当したいかで選ぶほうが、入社後のギャップも小さくなります。

職種名だけで選ぼうとしていました。「どの段階を担当したいか」で考えると、志望動機が自分の言葉になりますね。
職種ごとの違いをもう少し広く見たい場合は、SaaSの「ザ・モデル」とは?第二新卒が面接で説明できる分業の全体像もあわせて読んでみてください。
\ 分業の実態は、求人票では分かりません /
エージェントは同じ企業に人を送った実績を持っているので、区間がどこまで分かれているのか、引き継ぎがどう回っているのかを聞ける場合があります。
第二新卒向けの求人を扱う相手から当たると早いです。


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