年俸制の転職は損?月給制との違いと確認する4点

年俸制の求人票を前に条件を確かめる第二新卒 第二新卒

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求人票の給与欄に「年俸480万円」と書いてあると、月給制の求人と比べにくいと感じませんか。ボーナスは別なのか、残業代はどうなるのか、判断材料が足りないまま応募することになります。

結論から言うと、年俸制そのものに損得はありません。損得を決めるのは、その金額に何が含まれているかです。同じ480万円でも、賞与込みか別かで手取りは大きく変わります。

この記事の結論
  • 年俸制でも残業代の支払い義務はなくならない
  • 賞与が年俸に含まれるかは会社によって違う
  • 分割数(12・14・16)で毎月の手取りが変わる
  • 確認するのは金額ではなく内訳の4点

年俸制だと損なのか

制度そのものに有利不利はありません。年俸制は「1年分の賃金を先に決める」という決め方の話であって、金額の水準とは別の問題です。

ただし比較を間違えやすい制度ではあります。月給制の求人が「月給28万円+賞与年2回」と書くのに対し、年俸制は総額だけを示すことが多いためです。賞与が含まれているのに月給制の月給と単純比較すると、実際より高く見えます。

月給制との違いは「決め方」と「支払い方」

違いは2つの段階に分かれます。金額をいつ決めるかと、どう分けて払うかです。

年俸制月給制
決め方1年分を先に決める月額を決める
賞与含む場合と別の場合がある別に支給が一般的
見直し年1回が基本昇給時期による
残業代法定を超えた分は支払われる同じ

※ 表は横にスクロールできます

賃金は毎月1回以上支払う決まりがあるため、年俸を12分割・14分割・16分割のいずれかで支払う形になります。14や16の場合は、余った分が賞与として年2回まとめて出ます。

年俸に何が含まれているか

ここがいちばん確認すべき点です。同じ総額でも、含まれるものが違えば別の条件になります。

確認するのは、賞与・固定残業代・各種手当の3つです。とくに固定残業代が含まれていると、見た目の総額は上がります。「年俸480万円(固定残業45時間分を含む)」であれば、45時間働いて初めてその金額になる、という意味です。

求人票の金額だけでは判断できません。内訳は労働条件通知書に書かれているので、労働条件通知書で必ず確認する7項目を手元に置いて突き合わせます。口頭の説明と書面が食い違ったときは、書面が優先されます。

金額の内訳を企業に直接聞くのは気が引けるという方もいます。エージェント経由で応募しているなら、SaaS職種に強いエージェントに条件を確かめてもらうと、聞きにくい部分を代わりに確認してもらえます。

残業代は年俸に含められるのか

法定労働時間を超えた分の割増賃金は、年俸制でも支払われます。年俸だから残業代が出ない、という扱いは原則として認められていません。

例外にあたるのが、固定残業代をあらかじめ含めている場合です。この場合も定めた時間を超えて働けば、超えた分は別に支払われます。「45時間分込み」の会社で60時間働いたなら、15時間分は追加されます。

もう一つの例外が管理監督者ですが、肩書きではなく実態で判断されます。第二新卒の入社時点で該当することはまずありません。

賞与の扱いが会社で違う

年俸制でいちばん誤解が生まれるのが賞与です。3つのパターンがあります。

  • 年俸に含む(16分割型):年2回まとまった支給があるが、総額は変わりません
  • 年俸とは別:業績に応じて年俸に上乗せされます
  • 賞与なし(12分割型):毎月の額は大きくなりますが、まとまった支給はありません

12分割型は毎月の手取りが多く見えます。年収の総額が同じでも、住宅ローンの審査などでは月額が見られる場面があるため、生活設計に関わります。

比べるときは「12で割った金額」に揃えると分かりやすくなります。年俸480万円で賞与込みなら月40万円、賞与が別で年俸が360万円+賞与120万円なら月30万円です。月給制の求人と並べるときも、この形にすれば同じ土俵に乗ります。

オファーで確認する4点

金額を見るのではなく、内訳を4つに分けて聞きます。これだけ揃えば他社と比較できます。

確認する点聞き方
①分割数年俸は何分割で支給されますか
②賞与の扱い賞与は年俸に含まれますか、別ですか
③固定残業代固定残業代は含まれますか。何時間分ですか
④見直し時期年俸の改定はいつ、何を基準に行われますか

※ 表は横にスクロールできます

この4点はオファー面談で必ず確認すべき5つのことと合わせて聞くと、1回の面談で条件面が固まります。

途中入社・途中退職のときはどうなる

年度の途中で入社した場合は、残りの月数で按分されるのが一般的です。10月入社で翌3月が年度末なら、年俸の半分が支払われる形になります。

途中で退職する場合も同じ考え方です。ただし賞与部分については、支給日に在籍していることを条件にしている会社が多く、退職時期によっては受け取れません。入社時にこの条件も確認しておくと、辞めるときに慌てずに済みます。

本記事は制度の一般的な整理であり、個別の契約に対する法的な助言ではありません。提示された条件に納得できない、残業代が支払われないといった具体的なトラブルになった場合は、労働基準監督署や労働問題に詳しい専門家に相談してください。

よくある質問

年俸制をめぐって迷いやすい点をまとめました。

Q1. 年俸制だと昇給しないのですか?
A. 年1回の改定で見直されます。月給制の定期昇給と比べて、成果が反映されやすい仕組みです。

Q2. 年俸を下げられることはありますか?
A. 制度上はあり得ますが、一方的な引き下げには合理的な理由と手続きが必要です。就業規則の規定を確認します。

Q3. 未経験の第二新卒でも年俸制の会社に入れますか?
A. 入れます。外資系やベンチャーに多い制度ですが、業種を問わず採用しています。

まとめ|見るのは金額ではなく内訳です

年俸制かどうかで応募先を選ぶ必要はありません。総額の内側を4つに分けて確認すれば、月給制の求人ともきちんと比べられます。

この記事のまとめ
  • 年俸制そのものに損得はない
  • 法定を超えた残業代は年俸制でも支払われる
  • 賞与は含む・別・なしの3パターンがある
  • 確認するのは分割数・賞与・固定残業代・見直し時期の4点
  • 途中入社は月数で按分されるのが一般的

気になる求人が年俸制だったら、応募前に求人票の注記を読み、面談でこの4点を聞いてください。それだけで比較できるようになります。

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