教育担当がつかない会社に入ったら|第二新卒が独力で立ち上がる進め方

教わらずに立ち上がる|教える義務は法律にありません 第二新卒

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入社したのに、誰も教えてくれない。前の会社を「教える体制がなかった」という理由で辞めた方ほど、この状況は堪えます。

この記事の結論

先に押さえておきたいのは、仕事の進め方を教えることは、法律上の義務ではないという点です。義務があるのは安全衛生に関する教育だけで、業務スキルの指導は各社の方針に委ねられています。

つまり「教えてもらえない」は違反ではなく、その会社の設計です。だから待っても始まりません。この記事では、教える人がいない環境で立ち上がる順番を整理します。

教えるのは義務ではありません。義務なのは安全衛生の教育だけです

労働安全衛生法第59条は、事業者に対して労働者を雇い入れたとき、その従事する業務に関する安全または衛生のための教育を行うことを義務づけています。内容は労働安全衛生規則第35条に定められており、機械や原材料の危険性、保護具の扱い、事故時の応急措置などが含まれます。

一方で、「仕事のやり方を教えなさい」という規定はありません。新人研修も、指導役をつけることも、マニュアルを用意することも、すべて会社の判断です。

この違いを知っておくと、受け止め方が変わります。教えてもらえないのは、会社が決まりを破っているからではありません。そういう設計の会社に入った、というだけです。責める相手を探しても事態は動かないので、動かし方のほうに切り替えます。

「教えてもらえない」には2種類あります

同じように見えて、対処がまったく違います。

制度が無い 制度はあるが動いていない
見分け方 指導役という言葉が出てこない 担当者はいるが忙しくて捕まらない
起きること 最初から自力 待っているうちに時間が過ぎる
最初にやること 聞ける相手を自分で決める 時間を先に押さえる
改善の見込み 短期では変わらない 段取り次第で変わる

後者は自分の動き方で改善できます。担当者が決まっているのに教わっていないだけなら、時間を確保する問題に置き換えられるからです。

最初の1週間でやるのは、聞ける相手を1人だけ作ることです

全員と仲良くなろうとすると、誰にも聞けないまま時間が過ぎます。まず1人だけ決めます。

選ぶ基準は、役職でも親切さでもありません。席が近く、自分と同じ業務に触れていて、いま忙しすぎない人です。この3つが揃っていれば、質問への反応が早くなります。

相手が決まったら、最初に一度だけ宣言しておきます。「立ち上がりでいくつか伺うことがあると思います。まとめて聞くようにするので、都合の悪いときは後で構いません」。先に断っておくと、そのあとの質問が唐突でなくなります。

質問の形を変えると、答えが返るようになります

忙しい人に嫌がられる質問と、そうでない質問があります。違いは考える手間です。

仮の答えを添える

「どうすればいいですか」ではなく「Aだと思ったのですが、合っていますか」に変えます。相手は判断するだけで済むので、返答が一言で終わります。

まとめて聞く

思いつくたびに声をかけると、相手の作業が細切れになります。メモに溜めて、1日1回か2回にまとめると、同じ質問数でも負担が減ります。

期限を添える

「今日中に出すものなので」「来週までで大丈夫です」と急ぎ具合を伝えます。相手が順番を決められるので、後回しにされても不安になりません。質問しづらさそのものが辛いときは、転職先で仕事を覚えられないと感じたら|第二新卒が最初の3か月でやることもあわせてご覧ください。

教える体制があるかどうかは、入る前に確かめられれば苦労しません。次の応募先を見るときは、そこを聞ける相手を持っておくと違います。営業経験があってSaaS業界も見てみたい方はSaaS特化のエージェントに無料相談するなら、同じ企業に人を送った実績から、入った人がどう立ち上がったかまで聞けることがあります。

そもそも入る前にどこまで見えるのかは、入社後どう教えてもらえる?教育体制を面接で確かめる4つの質問で扱っています。

教わらずに覚える経路は3つあります

人に聞く以外にも、情報は取れます。教える人がいない会社ほど、次の3つが効きます。

  • 過去の成果物——共有フォルダにある提案書、報告書、議事録。完成形を10本読むと、型が見えます
  • 実物——自社サービスを実際に使う、資料請求してみる、問い合わせフォームを送ってみる。顧客の見え方が分かります
  • 他人のやり取り——チャットの公開チャンネル、CCで届くメール。誰が何を決めているかが読み取れます

この3つは誰の時間も奪わずに進められるのが利点です。人に聞くのは、ここで分からなかったことだけに絞ります。

自分用のマニュアルを作ると、二度手間が消えます

教わったことを、その日のうちに手順の形で書き留めます。箇条書きで構いません。

効果は3つあります。ひとつは同じことを二度聞かずに済むこと。教える側がいちばん負担に感じるのは繰り返しの質問なので、ここが減ると関係が保てます。

ふたつめは抜けが見つかること。書こうとすると「ここは聞いていない」という箇所が浮かびます。次の質問がそこから決まります。

みっつめは後から入る人に渡せることです。教育の仕組みが無い会社では、これがそのまま自分の実績になります。

面談が無いなら、自分から15分もらいます

定期的な面談の仕組みが無い会社は珍しくありません。待っていると、半年後の評価まで何のすり合わせもないまま進みます。

頼み方は短くて構いません。「今の進み方で合っているか、15分だけ確認させてください」。時間を区切って伝えると通りやすくなります。

聞くことは3つに絞ります。①いま任されている範囲は合っているか ②次に覚えるべきことは何か ③困ったときは誰に聞けばよいか。3つ目を聞いておくと、以後の質問先が正式に決まります。

人間関係の作り方そのものに悩んでいる場合は、転職先に馴染めないと感じたら|中途入社が人間関係を作る方法で扱っています。

やらなくていいこと

立ち上がりで消耗しやすい3つを挙げます。

  • 全部を理解してから動こうとする——分からないまま手をつけて、詰まったところを聞くほうが早く進みます
  • 前の会社のやり方と比べる——比較しても手が動きません。違いは記録だけしておきます
  • 教えてくれないことを人のせいにする——事実として整理するのはよいですが、感情に置き換えると動けなくなります

特に3つ目は、前職を辞めた理由が同じだった方ほど陥りやすいところです。同じ形で終わらせないために、環境の説明ではなく自分の手番に意識を戻します。

それでも進まないときの見切り

自分から動いても変わらない状況はあります。目安は次の3つです。

聞いても答えが返らない状態が1か月以上続く質問すること自体を否定される安全衛生の教育すら行われていない

③は法律上の義務なので、無ければ会社側の問題です。①②が重なる場合も、個人の努力で埋められる範囲を超えています。1か月は自分の動き方を変えることに使い、それでも動かなければ環境の問題として扱います。

よくある質問

教えてもらえないのは違法ではないのですか?

業務の進め方を教える義務は法律にありません。義務があるのは労働安全衛生法第59条にもとづく安全衛生の教育で、機械や原材料の危険性、保護具の扱い、事故時の応急措置などが対象です。これが行われていない場合は別の問題になります。

質問すると迷惑がられている気がします

回数より形が原因のことが多いです。仮の答えを添える、まとめて聞く、期限を伝える。この3つで相手の手間が減り、反応が変わることがあります。

どのくらいで一人でできるようになりますか?

職種や業務範囲によりますが、教える人がいない環境では、いる環境より時間がかかるのが普通です。焦る代わりに、覚えたことを手順の形で残していくと進み具合が見えます。

また辞めたくなってきました

1か月は自分の動き方を変えることに使ってください。それでも聞ける相手ができない、質問自体を否定されるという状態が続くなら、環境の問題として考える段階です。

まとめ

  • 業務の進め方を教える義務は法律になく、義務があるのは安全衛生の教育だけです
  • 「制度が無い」のか「制度はあるが動いていない」のかで、やることが変わります
  • 最初の1週間で、聞ける相手を1人だけ決めます
  • 質問は「仮の答え+まとめて+期限」の形にすると通りやすくなります
  • 過去の成果物・実物・他人のやり取りの3つは、誰の時間も奪わずに使えます
  • 1か月動いて変わらなければ、環境の問題として扱います

出典:厚生労働省「安全衛生教育」(厚生労働省「職場のあんぜんサイト」

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